東急デハ150形タイプペーパーキット組立手順

作成2026.8.20

このたびは東急デハ150形タイプペーパーキットをご購入いただきありがとうございました。
重ね重ねのご案内になりますが、このキットを完成させるためには様々なハードルがございます。
そのため、組立手順をご紹介するページを作成しましたが、模型工作に長けておられる方から見ればより良い方法などがある事と思いますので、適宜スルーしてご笑覧頂ければよろしいかと思います。


【工作にあたり、別途ご用意していただきたいもの】

  • 3mm角棒(152mm×2)
    プラ角棒あるいは木製、真鍮製角棒(車体の補強と床板止めに使います)
  • 1mm角棒(約250mmほど)
    車体のディテールに使います
  • t1mmプラ板または金属板
    床板を自作する場合に必要ですが、一部市販の床板付き動力ユニットを使用する場合は不要です
  • 動力ユニット(台車含む)
    三ツ星商店製あるいはMODEMO都電7000形用(※座席は取付けないでください)、だるまや、エンドウMPギヤセットQなどをご用意ください(車輪径Φ8~9、軸間17mm)
  • パンタグラフ
    PT51(IMON)あるいはPT52(トミーテック)
  • カプラー
    IMONカプラーHO105等またはKadeeカプラー#58(旧#5)等
  • その他
    窓セル・塗料・各種ビスなど

【製作にあたり、あると便利なアイテム】

  • 速乾性木工ボンド
    希釈して車体の貼り合わせに使用します
    Amazonリンク
  • 低粘度瞬間接着剤
    車体端部・細部の補強、レジン前面との接合に使用します
    Amazonリンク
  • ゴム系ボンド
    屋根芯材や窓セルの接着に使用します
    Amazonリンク
  • 細い筆
    使い古しの面相筆などがあればよろしいかと思います
  • ステンレス製定規
    30cmタイプ×2本、10cmタイプ1本
  • ロック式樹脂クランプ
    車体曲げ時に使用します
    Amazonリンク
  • スプリング式クランプ
    各部仮止めに使用します
    Amazonリンク

【車体の組立A】
-切り離す前の作業-

A-1

車体を切り離す前に、屋根部の両側(前後方向)に左右それぞれに3本ずつガイドラインがあるので、それぞれに定規を当ててシャープペンシルでケガキ線を書き込んでください。
(画像をクリックすると大きく表示されます)

 

 

 

 

 

 

※あまり強く力を加えますと、跡が残りますのでご注意ください。


A-2

用紙裏面の車体の側面部分と屋根部分境目にも、シャープペンシルでケガキ線を書き込んでください。

 

 

 

 

※裏面には中心線の書き込みは不要です。

A-3

ケガキ線を書き込んだ車体の裏側(内側)に、ケガキ線に沿って曲げスジを入れます。
ケガキ線に定規を合わせ、カッターナイフの「刃の背部分」を用紙に当てて、繰り返しスジを入れていきます。
少しずつ回数を重ね、無理な力は加えず、ケガキ線で用紙がきれいに曲げられるように、曲げくせを付けていきます。
※用紙の余白部分を利用して、あらかじめスジ入れの感覚をつかんでおくとよろしいでしょう。


【車体の組立B】
-車体内板を接着する-

B-1

車体外板と内板を切り離し、それぞれを貼り合せます。

 

 

 

 

外板と内板は、前後の長さが同じになっています。両方の車体下辺と両端の辺を合わせてクリップで仮止めします。
このとき、作業テーブルの上にガラスや金属の硬い板を敷き、その板ごとクリップで固定できれば安心です。


B-2

速乾性木工ボンドを水で希釈します。ボンドと水の量はおよそで同量。(1:1)
どちらも数滴ずつ作業用の小皿に滴下し、爪楊枝などで撹拌します。
固定した車体側面の窓ヌキ部周囲の段差から、小筆を使ってボンドを浸み込ませていきます。
ドア部両側の縦辺にもボンドを浸み込ませてください。

 

 

 

 

片側が終わりましたら、ボンドが乾くまでしばらく待ちましょう。(半日~1日程度)
このとき、写真のように30cm定規を当てて固定しておくと安心です。

 

 

 

 

しっかり接着できましたら、反対側の側面も同様に貼り合せ、ボンドが乾くまでしばらく待ちましょう。(半日~1日程度)


B-3

貼り合せた車体の断面からもボンドを浸み込ませます。

 

 

 

 

車体の前後の断面(前面と接する部分)にもボンドを浸み込ませます。
このとき、窓柱の細い部分がふやけて曲がりが出る場合があります。

 

 

 

こうなった場合は、慌てずに車体を平らな面の上に静置し、その日の作業を終了しましょう。
翌日にはふやけた部分の水分が抜けて、元の状態に戻っています。(程度によります)

 

ここまで来ましたら、屋根部分の曲げを行います。ボンドがしっかり乾燥していることを確認してください。


【車体の組立C】
-屋根を曲げる-

C-1

写真ではわかりにくいですが、テーブルにバイス(万力)を2つ固定し、その上に丸棒を乗せています。(φ10mm~20mm程度)

 

 

 

 

この丸棒と、車体に書き込んだケガキ線が平行になるように合わせ、まんべんなく屋根を曲げています。

 

 

 

 

セッティングは写真の通りでなくても構いません。適宜工夫してください。

 

 

 

 

曲げ具合もおおよそで構いません。目指すところは屋根芯材とぴったり重なればオーケーです。


C-2

車体に書き込んだケガキ線に合わせ、両側から30cm定規を挟みます。

 

 

 

 

ケガキ線にぴったり合わせてください。

 

 

 

 

ロック式クランプも使ってしっかりと挟み込みます。

 

 

 

 

車体を平らな面に置き、ゆっくりと側面を折り曲げます。

 

 

 

 

 

横から見るとこのようになります。

 

 

 

 

左右両側を曲げるとこのようになります。


【車体の組立D】
-補強板の取付-

D-1

お手持ちの動力装置に合わせ補強板を切り出し、左右それぞれ2枚重ねにして接着します。
※だるまや製動力装置を使用される場合は、下段の補強板をガイド線でカットしてご利用ください。

 

 

 

 

切り出した補強板の上辺と左右両端を合わせて接着します。

 

 

 

 

補強板を重ねた断面からも、ボンドを浸み込ませてください。


D-2

補強板と角棒を接着します。
まず、車体を平らな面に置き、補強板を車体の形状に合わせて固定します。

 

 

 

 

ボンドを浸み込ませて接着してください。

 

 

 

 

152mmに切断した3mm角棒を2本用意します。

 

 

 

 

※だるまや製動力を使用する場合、動力台車側の取付ビスと干渉しますので、角棒の端部から≒35mmあたりを前後1.5mmずつ(前後3mm程度)、2mmほどの切り込みを入れてください。

 

 

 

 

 

補強板の上辺に重ねるように、角棒を接着します。


【車体の組立E】
-台車枠干渉の対策-

E-1

車体下辺の青矢印部分が台車が回転する際に干渉するので削ります。写真のように爪楊枝を使って瞬間接着剤をたっぷり浸み込ませてください。

 

 

 

瞬間接着剤を塗布したら半日~1日ほど静置して接着剤の硬化を待ちましょう。

 

台車(床板にセットした状態)を仮組みすると、青いラインの部分が干渉するので、写真を参考に削り込みをおこなってください。

 

 

 

 

 

こんな感じに仕上げ、台車がスムーズに回転することを確認します。

 

 

 

 

 

削り込んだ面は毛羽立ちますので、瞬間接着剤を浸み込ませて固めてください。

 

 

 

※写真の角棒はだるまや製動力を使用するため、切り込みを入れています。

 


【車体の組立F】
-屋根芯材の取付-

F-1(パンタグラフ取付穴の確認)

屋根芯材にはパンタグラフ取付用のガイド穴が開けてあります(写真は試作品です)
写真のようにメーカーにより取付用ビス位置が異なりますので、車体に接着したのちに車体屋根部に適宜穴を貫通させてください。


F-2(屋根芯材の接着)

車体に屋根芯材をゴム系ボンドでしっかり接着します。

 

 

 

 

屋根芯材の前後面にはガイド溝が彫ってありますので、車体中心のケガキ線に合わせて接着します。

ボンドが固まるまで両端をクランプで固定し、硬化を待ちます。

 

 

 

 

しっかり接着できましたら、各メーカーのパンタグラフの取付穴に合わせて屋根を貫通させてください。
また、車体に穴をあけると毛羽立ちが出ますので、希釈した木工ボンドあるいは瞬間接着剤を浸み込ませて固めてください。固まった毛羽立ちはサフェーサー塗装時に仕上げてください。
パンタグラフの取付方法はメーカーごとに異なります。また、パンタ台の固定もビス止めや接着により貫通させる下穴の径も異なるため、ここでの説明は省きます。


【車体の組立G】
-前面の取付-

G-1

前面パーツはレジン製になっています。3D造形する際にサポート材がつけられているため、それらを除去する必要があります。
特に前面裏側(内側)や車体接合部に残ったサポート跡は、キサゲやヤスリで丁寧に除去してください。
レジンパーツは思いのほか柔らかく、さらに脆い性質を持っていますので、削り作業やヤスリ作業は慎重におこなってください。


G-2

前面パーツは2種類あります。ジャンパ栓受けがある前面はパンタグラフ側に取付けます。
車体裾と前面裾が左右とも揃った状態を保持し、先に車体中央部(天井部分)に瞬間接着剤を数滴滴下します。

 

 

 

 

車体と屋根部の合わせ目が揃い。さらに車体裾部が揃っていることが確認できましたら、上の写真の部分に改めて瞬間接着剤を流し込み、しっかりと接着して硬化を待ちます。

 

 

 

 

その後、左右の接合部分を片側ずつ、合わせ具合を確認しながら外側・内側から瞬間接着剤をしっかりと滴下し、特に外側接合部に溝が出来てしまった場合は瞬間接着剤を盛る感じで補強しておきます。
左右片側ずつ、慎重に作業を進めてください。

 

 

 

 

現在、このようになっていることと思います。
接合部の瞬間接着剤が大きくはみ出ている場合は、接着剤が硬化したところでおおまかに削っておきますが、このあとの塗装作業で最終的に仕上げるかたちになります。


【車体の組立H】
-排障器の組立-

H-1

排障器本体を折り曲げ線で曲げ、上下を固定ガイドに差し込みます。

 

 

 

 

上下の固定ガイドにはボンドや瞬間接着剤を流して固定してください。

 

 

 

そのあと排障器の裏面、表面の両方からも、瞬間接着剤を爪楊枝で滴下して浸み込ませてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

念のため4個すべて作られることをお薦めします。

 

 

 

 


【車体の組立I】
-塗装作業-

I-1(サフェーサー吹付け)

前面接合部の仕上げとサフェーサー吹付けを並行しておこないます。
まずはサフェーサーを全体的に吹き付けます。

 

 

 

 

並行して前面の接合部をヤスリ仕上げします。

 

 

 

 

ヤスリを使うと毛羽立ちが出ますので、瞬間接着剤を浸み込ませて硬化させ、さらに仕上げます。
この作業は時間がかかりますが、慌てずに繰り返しながら接合部を仕上げていきます。
窓まわりのスジ表現が埋まってしまった場合、カッターナイフ等で慎重にスジ彫りして仕上げてください。

 

併せて雨樋・排障器もサフェーサーを吹き付けておきます。


【車体の組立J】
-雨樋の取付-

J-1

車体側面上部に雨樋を接着します。キット付属の雨樋の幅はおよそ0.8mmで、その上辺の高さが車体裾からおよそ35mmになるように定規を仮固定します。
写真は上下さかさまになっていますが、定規の上辺が車体裾から34.2mmになるようにマスキングテープ片で仮止めしてあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

写真のように定規の上辺に合わせて雨樋の上側をマスキングテープ片で仮止めします。

 

 

 

 

 

仮止めが出来ましたら定規をパタンとひっくり返して雨樋の下側もマスキングテープ片で止めて車体に密着させます。

 

 

 

 

 

 

この段階でボンドを流す前に曲がりがないことを確認してください。曲がりがあるようでしたら、この段階で修正してください。

 

 

 

 

 

希釈した木工ボンドを爪楊枝で掬い、雨樋上辺から浸み込ませるように滴下します。仮止めテープからは距離を開けたところから点々と滴下し、ボンドが乾いたら仮止めテープを剥がし、剥がした部分にもボンドを浸み込ませます。

 

 

雨樋が付きましたら、車体側面に1mm角棒を接着します。(57mm、54.2mm各2本)
角棒にゴム系ボンドを薄くのばし、車体側面の溝に嵌め込むように接着します。
このとき、角棒にはあらかじめプライマーを塗布しておくと良いでしょう。


【床板の調整】

三ツ星商店製動力装置およびMODOMO都電7000形動力装置をご使用になる場合、どちらも床板の前後をカットする必要があります。現物合わせてせ構いませんが、本キットの前面カプラー受け部が干渉しないように、適宜切断してください。


【車体の塗装】

塗料につきましては、適宜調合してください。

 

 

 

 

正面の塗分け線はガイドとなる型紙(テンプレート)を用意してあります。そのまま利用していただいても構いませんが、金属板にトレースしておくと便利です。

 

 

 

マスキングテープの上に型紙(テンプレート)を重ね、さらにマスキングテープを使って仮止めしておくと、カッターナイフを入れる向きを自由に変えられるため、取り回しが楽になります。


【塗装後の作業】

車体の塗装がおわりましたら適宜デカールを貼付けてクリアーコート、さらに銀に塗装した窓サッシを接着、そして窓セルを貼り付けます。
前面窓ガラス部にはアクリルパーツが同封されていますので、それをご利用ください。
また、ヘッドライト、尾灯のレンズも同封してありますが、細かい部品のため紛失には細心の注意を払ってください。
※デカールにつきましては、印刷機が不調のためにカスレなどの不具合の発生率が多いため、予備分を含めて多めに同封してあります。恐れ入りますが状況をご理解、ご了承の上、状態の良い文字を選別してご使用ください。


【排障器の取付】

各部の塗装が終わり、窓セルなどの接着が終わりましたら、最後に排障器を取付けます。

 

 

 

 

排障器の柱部分(内側)が車体下面に突き当たるように、両側の柱部分は車体側面内側に接着します。細かい部品のため、取扱にはご注意ください。


組立手順は以上になります。
完成まで時間がかかる事と思いますが、どうぞひとつひとつの過程を楽しみながら進めて頂ければと思っています。